次世代ゲーム機はWii UでもPS4でもXbox 720でもなく、テレビ

CVGで、クラウドゲームングサービス会社Gaikaiの創設者の一人でありCEOでもあるDavid Perry氏は次世代ゲーム機はPlayStation4でもなくXbox 360でもなくテレビであると考えていることを伝えていました。

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ソニーとマイクロソフトの次世代機が今年のE3でデビューするとの噂が一時期ありましたが、両者が公式に否定したことから今年のE3でPlayStation4とXbox 720がお披露目される可能性はほぼ無くなりました。次世代機として登場するのはWii Uだけになります。

一方でクラウドゲーミングは特別なプラットフォーム上で動作するゲームではなくインターネットと繋がることでウェブブラウザ上でストリーミングとしてゲームを楽しむものです。そういったサービスを行うGaikaiが考える次世代ゲーム機はテレビだというのです。

David Perry氏は次のように語っています。
「デジタルテレビはあらゆるメディアに対応している。ゲーム機メーカーがゲーム機を作ったことは間違いだとはいわない。それは彼らが進化する上でゲーム機を作ることは避けて通れないからだ。」

ゲーム機は電源を入れてテレビに映し出しプレイするというスタイルから進化をしてきましたが、ゲームカードリッジをゲーム機本体に差すことで様々なゲームが楽しめるようになったファミコン以降、ゲームカードリッジが磁気ディスクや光学ディスクに進化しただけでその本質を変えずに進化してきました。そして今、インターネットを使い直接ゲームをダウンロードできるように進化する方向へ進んでいます。

クラウドゲーミングとゲーム自体をダウンロードすることは全く別次元のように感じますが、インターネット上のサーバー側で処理をするか自宅の専用ゲーム機で処理をするかの違いはあるものの、ユーザーから見るとどちらもゲームをプレイすることに変わりはないことになります。

クラウドゲーミングはサーバー側に負荷がかかるものですが、近年のサーバーの高性能化とインターネットのブロードバンド化によってそれが可能になりました。プレイするユーザー側の端末に高性能は要求されないためPCやAndroidタブレット、スマートフォンなどあらゆる現存の端末でゲームが楽しめてしまうことになります。

この流れはゲーム機本体の高性能化を競ってきた既存のゲーム機の進化の結果を完全に不要にしてしまうものです。

それでは専用ゲーム機というものは完全に無くなってしまうものなのかというと、そうではありません。家庭用ゲーム機の主戦場である「据え置きゲーム機」がWiiやKinectの方向性であるリビングルームエンターテイメント化した現在、家族で楽しめるゲーム機としての需要を無視できないためです。つまり、コアゲーマーはPCを使ったクラウドゲーミングで満足させられるがファミリー層にはやはりリビングのテレビでプレイするゲームが重要なのです。

キーワードはテレビ。Gaikaiが考える次世代ゲーム機はクラウドゲーミングで楽しむテレビであり、そこへ進化するためにはゲーム専用機の進化が必要だったというのがDavid Perry氏の言葉の真意です。

「テレビが重要となると、テレビを作っているのはどこです?ソニーは既に作ってます。だからソニーはテレビに全ての機能を盛り込むべきです。」

David Perry氏はソニーにテレビをクラウドゲーミング向けに進化させるよう促しています。

「ですから私はマイクロソフトもテレビを作るべきだと思いますよ。アップルも大型液晶パネル製造会社を買収したという報告もありますから。」

iPhoneとiPadでゲーム業界に進出しているアップルには今年「スマートテレビ」なる『iTV』を発売するという情報があります。アップルがテレビを発売することでついに家庭のリビングへの進出をアップルが本格的に開始することになります。インターネット接続が前提のテレビで次世代iOSデバイスに搭載されるといわれる”A6″チップを内蔵するという情報もあります。ゲーム機としての性能も当然持ち合わせており、『iTV』発売で家庭用ゲーム機のダークホースとして君臨し、いずれ主役の座を射止めてしまう可能性も秘めています。

今のテレビはゲーム機から出力される映像信号を映す、単なる人間とゲーム機の間を取り持つインターフェースに過ぎませんが、これからはDavid Perry氏の言うようにテレビが主役になる時代が来るかもしれません。

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