Appleのゲームコントローラー発売プロジェクト iOS/Androidデバイスが築くゲーム業界勢力図

AppleInsiderで、AppleにはiPadなどのiOSデバイス向けにゲームコントローラーを発売するためのプロジェクトが存在していることを伝えていました。

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GoogleのAndroidは2.3からゲームコントローラーをサポートするようになりました。Xperia PlayなどはOSレベルでサポートしているコントローラー機能を利用できるようになっています。一方でGoogleのAndroidのライバルであるAppleのiPadやiPhoneといったiOS搭載デバイスでも同じようにゲームプレイ機能を強化すべくApple自身がゲームコントローラーを開発しているようです。

WebサイトのAnandTechを率いるAnand Lal Shimpi氏は、サイトのiPadのゲーム機としてのレビューの中で「ゲームコントローラー発売に向けたAppleの社内プロジェクトに注目している」とし、Appleがゲームコントローラー発売を検討しているとの情報があることを示唆していました。しかし現時点でAppleはゲームコントローラーを発売するとの最終決定はしていないようです。

しかしながら、今やスマートフォンやタブレット端末は既存のゲーム機並みのパフォーマンスを備えていることからAnand Lal Shimpi氏は、ハードコアゲーマー層にとってはそういったゲームコントローラーは近いうちに必要不可欠なものになるだろうとしています。

ソニーや任天堂と言ったゲーム機老舗メーカーが軒並み業績を落とす中、スマートフォンやタブレットデバイス向けのゲームの売り上げは伸びています。AndroidとiOSデバイスを合わせたアメリカでのシェアは2009年の19%から2011年末には58%まで急伸しているというある調査会社の統計もあり、今後も伸びが期待できる分野です。


Android用にはこのようなコントローラーが発売されている

AppleはAndroid 3.0 “Honeycomb”が発表された1年前からAndroid OSとして有線/無線コントローラーをサポートしているGoogleに対してのプレッシャーを感じているはずで、Appleわずか1社でハードウェアを開発、販売している孤軍奮闘の市場で多数のメーカーが発売するAndroidに対抗するための手段として純正のゲームコントローラーを用意するつもりなのかもしれません。


iPad用にサードパーティーから簡易的なコントローラーも

一方で、PCの代替品としての用途もあるタブレット端末や、常に携帯するのが文化となっている携帯電話デバイスとしてのスマートフォンは端末販売規模が大きいことから、必然的にゲームデバイスとして扱った場合規模が巨大でうまみがある市場と言えます。純粋なゲーム専用機は今後かなり不利な状況に追い込まれていくでしょう。先月発売された新型iPadのように発売からわずか4日で300万台などとという数字はゲーム専用機では到底及びません。スペックが専用機と引けを取らないAndroid/iOSデバイスがゲーム市場を席巻するようになると業界勢力図が完全に入れ替わります。ゲームタイトルのダウンロード専用販売はどうだとか小売店への配慮とか中古起動できないような仕組みを構築などとちまちまやっている既存のゲーム機メーカーが行きたくても行けない「ゲームはネットワーク配信専用」形態を最初から実現しているデバイスは本当に市場を席巻してしまうかもしれません。

ソニーはAndroidプラットフォームを、マイクロソフトは(一応)Windows 8でタブレットやWindows Phoneを持っていますのでプライオリティの置き方だけで主力市場の転換が可能ですが、自社のゲーム機向けにタイトルを開発するだけの任天堂は今のままではこの先王者として君臨する時代は二度と来ないどころか、かつてのセガのようにゲーム開発会社として生き残るしか存続する術がないかもしれません。iOS/Androidデバイスがこのまま市場を拡大すると、それに比例してゲーム業界図も書き変わりそうです。

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