「みなさん、こんにちは」でニンテンドー3DSを15000円に値下げ

任天堂が2011年8月11日よりニンテンドー3DSを15000円に値下げすることを発表していました。年末商戦に勢いをつけるためという理由ですが、発売から5ヶ月での10000円という大幅値下げには憤りを感じずにはいられません。

3DS

伝説のあのPSP goですら発売から半年も経たずに値下げなどはしていませんでした。PSP goも3DSも私は値下げ発表以前に2台買いました。

PSP goは高い高いと散々言われた上での値下げで(その後販売終了のおまけ付きでしたが)、3DSはPSP goとの比較では売れていないとは言えない状況だったので予想外の発表に正直言ってがっかりです。

そういうユーザーの反応をあらかじめ予想して、任天堂の岩田聡社長が言い訳手打ち文章を用意していました。これでは某国の高速鉄道事故で賠償金で早々と手打ちしようとしているのと変わりません。賠償金の金額として伝えられている50万元(約600万円)という金額は、人によっては一生かかっても手に出来ない人もいれば高収入な中国人の場合は数ヶ月分の収入という金額だと聞きました。日本の感覚だと年収相当です。その程度の金で解決されても困るという人はいるでしょう。

今回も25000円の時に購入した哀れなユーザーにファミコン・バーチャルコンソールタイトルを10タイトル、ゲームボーイアドバンスのバーチャルコンソールタイトルを10タイトル無償配信するようですが、20本もゲームもらってもそんなにやらねーよ。

以下、岩田社長の訓示に文句垂れます。

みなさん、こんにちは。任天堂の岩田です。

なんだよ、謝る気ないのかよ。謝罪するのにこんにちはなんて言うやついないだろ。

ゲーム機を発売して一定の期間が経ち、さらなる普及を目指して値下げをするということは過去にもありましたが、今回のように、発売から半年も経過せずに、しかもこれほど大幅な値下げをしたことは、任天堂の過去の歴史にはありませんでした。

僅か半年の重みを考えろ。そんな歴史がたくさんあったら呆れるわ。

いちばん最初にニンテンドー3DSを応援してくださったみなさまからのご信頼を損ない、ご批判を受けかねないことだと痛感しております。

痛感してるのに「みなさん、こんにちは。」空気読めない発言ですな。

ニンテンドー3DSの発売前と、現時点で大きく状況が変わり、今思い切った手を打たなければ、多くのお客様にニンテンドー3DSを楽しんでいただく未来がつくりだせない可能性が高まったと判断したためです。

任天堂は大きな勘違いをしています。その昔「パソコンは、ソフトが無ければタダの箱」と言われていた時代がありました。今はプリインストールアプリケーションも増えてソフトがなくても使えたりするようになりましたが、少なくともインターネットブラウザとメールクライアントさえあれば買ってきたままのパソコンだけで用を成す時代です。ただし3DSはパソコンと異なり何でもできるデバイスではないので「ソフトが無ければタダの箱」状態です。そう、ソフトが無いから売れないのです。任天堂はそれを分かっていません。3DSは”体験さえしてもらえれば良さが分かってもらえる”といまだに信じているようです。

「ニンテンドー3DSは、ニンテンドーDSの後継のゲーム機として間違いなく普及する」という確信を持っていただけなければ、ニンテンドー3DSが勢いよく多くのお客様に広がり、ソフトが充実し、結果的にニンテンドー3DSを購入されたみなさま全員にご満足いただくという循環がつくれません。

事前に3DSを発売することをだけを発表し、開発側への開発参戦を促し、また開発の時間の猶予を与えて十二分に時間をかけた周知戦略が実は不発だったことを認めたのですね。

「早く買って損をした」というお気持ちを完全になくすことはできないかもしれませんが、特別なお客様であるみなさまに対し感謝の意を表して、以下のようなご提案を用意させていただきました。(このあとアンバサダー・プログラムとしてファミコンとゲームボーイアドバンスの20本無料配信を発表)

完全になくすことはありえないどころか、次から(Wii Uのことです!)は「発売から少なくとも半年待ってから購入しよう」と考える人も出てきます。タダゲーに騙されてはいけません。今回配信されるのはファミコンの場合を例にとると

    ・後日配信される正式版では、電子説明書が搭載されます。
    ・後日配信される正式版では、対戦プレイに対応する予定です。
    ・後日配信される正式版では、「まるごとバックアップ機能」に対応する予定です。
    ・正式版は有料にて配信されますが、先行配信版から正式版には無料で更新することができます。

といったように、とりあえず無料で配布するものが無いための見た目の数合わせでしかありません。

みなさまに「最終的には満足した」と感じていただけるように、ニンテンドー3DSというプラットフォームを育てていくことが、私たちのなによりの責任と感じていますので、その実現に向けて最大限努力いたします。

最後に満足、つまり、何年か経った時でないと満足できない可能性がある製品を買ってくれといわんばかりの結びの言葉には心底落胆です。

任天堂は今回、平成24年3月期 第1四半期決算短信で業績予想を大幅に下方修正しています。東日本大震災後の節電による消費マインドの冷え込みや急激な円高などによる影響、バカ売れするスマートフォンにパイを奪われたことによる影響も多々あるとは思いますが、Wiiが販売末期でWii U発売までまだ時間がある現状を考えると、今の任天堂には業績を向上させる唯一の手段として”3DSの値下げ”というカードしか持っていなかったことを意味しています。WiiやDSi/DSi LLの値下げでは到底利益が得られない状態という判断がなされたということです。(DSiやDSi LLを先に値下げしないと、8月11日以降携帯機で一番高額なのがDSi LLという逆転現象が起こります)

この3DSの値下げでも平成23年度の1株あたりの配当金が100円(WiiもDSも販売末期な昨季でも450円です)ですから、ユーザーが想像している以上に業績が急激に悪化したのでしょう。

それなのに「みなさん、こんにちは。」ですからね。

3DSは発売直後からPSPに販売台数で肉薄され、一時期PSPに負けていたりしましたので今の市場は3DSを前向きに迎え入れてくれてはいません。これは25000円という高額商品であるがためというよりも、購入意欲が涌くタイトルが不足しているためだと思います。あくまでも私の個人的憶測ではありますが、もしタイトル不足が根本的な原因だとすると、15000円に値下げしてもやっぱりPSPに肉薄されてしまうことになります。

利益優先の企業という立場だけを見て今回の値下げを評価するとやむなしの最善策なのかもしれませんが、それにしても発表プロセスが下手すぎます。
事前にそれとなくリークして(バーに新色の15000円の値札の付いた3DSを置き忘れておくとか)メディアに騒いでもらって歓迎ムードの世論を作っておけばもっと違った受け取り方ができたでしょう。それが「みなさん、こんにちは。」ときたから反感を買うんです。

任天堂のゲーム機は1世代おきに成功と失敗を繰り返す、と言われていますが、順番で行くと3DSは失敗する番です。今回の思い切った値下げで販売が上向けば良いのですがキラーコンテンツがないかぎり販売末期のPSPと肩を並べる状況は変わらないかもしれません。

「みなさん、こんにちは」でニンテンドー3DSを15000円に値下げ” に対して10件のコメントがあります。

  1. るりるり より:

    キラーコンテンツと言えるかどうかは微妙になりそうですが、
    スーパーポケモンスクランブルが(価格改定と)同日に発売なんですよね。

    タイミング的にはそれに合わせた……というところかと。
     ※合わせて2万円ラインを割り込みますので…

    DSiやLLがどうなるのか、ちょっと気にかかりますね。
    iをフェードアウトさせ、LLを値下げ(9800~11800)ってところがありそうかと。
    iも残すとなればLLが微妙すぎますし…

    Vitaが使ってるドルレートを現実寄りにしてくれたらな…
    未だに1USD=100JPYくらいで計算してるからなぁ…(米価格:日価格)
    80円とまではいかなくとも、85円近傍でやってくれないかな…
    それだとWiFi版が20980円(本体19980円)、3G版が25500円(本体24285円)くらいになるし。

  2. ドカンくん より:

    酷い話ですがそこまで怒るほどの事では無いでしょう。
    お詫びコンテンツも個人情報を史上最大規模で垂れ流した某社のそれよりも
    遥かにマシですしねw
    それにしてもご自身が被害を被ったとはいえPSN流出事件の時とえらい違いですね。ここまで激怒しているのは自分の見た限りソニー寄りのゲハブログくらいです。ひょっとしてまもすけさんはいわゆる「GK」の方ですか?
    色々失礼なこと書いてすいません。ただ、幾ら言っても1万円が戻ってくる訳では無いのですから、インターネットで文句を垂れ流すのは大人気ないと思いますよ。

  3. ドカンくん より:

    まあ自分も2chで色々愚痴はこぼしましたが…。

  4. るりるり より:

    >ドカンくん さん
    今までの『値下げ』では一切何もありませんでしたもんね。期間の違いこそ有れど。

    ネット接続が当たり前になってきたってのもあるのでしょうけど、こういった方面でのサポートがしやすくなってきましたよね。
     ※DS系ならニンテンドーゾーンもあるしね。

    それまではいろんなメディアで自ら情報を得て、自分で手続きをしなきゃいけませんでしたよね。
    初期PS2のアプリケーションディスク?だとか、ACアダプタのリコール系だとか…
     ※今回のでも、情報取得や手続きの必要はありますけど、全部オンラインでOKだし、ハードルは下がってると思う

    今回のアンバサダープログラムも、初接続がフレアレッド発売日以降だとか、値下げ発表以降とかじゃなくて、既発売(~値下げ日まで)の全数対応なんですよね……
    日付を区切って……とかする繁雑&煩雑さを減らす目的もあったんだと思う。(締め切り日時の設定だけで済むからね)

    …と、今回の発表の関係で買い控えも起こるだろうから、エキサイトバイクのアレも期間延長して欲しい。
     ※キリのいいところで一か月延長して八月いっぱいまでにするとか…

  5. より:

    >ドカンくん

    VCのβ版やるから初期購入者は黙ってろとか明らかにSONYより酷いだろww

    つか一万ぼられた上にあの対応と態度なんだから買った奴なら皆激怒して当然。

    寧ろここまできて任天擁護するお前らニシ君の気が知れない。

  6. ドカンくん より:

    >あさん
    別に任天堂の擁護もしていなければ信者でもありませんが。
    貴方こそ何です?ソニー信者ですか?

  7. まもすけ より:

    任天堂は市場の反応を見てますから、私はブログで素直に思ったことを書くだけです。

    これから買おうと思ってた方には朗報ではないですか?

    どのくらい売れれば黒字化できるのか分かりませんが、15000円で販売をフル加速(年末商戦で爆発的加速)させても配当は1株100円ですから任天堂にとってはかなり大きな賭けに出た形です。Wii Uもコケたら来年はかなり危険です。

    確か2006年度はDSが好調で配当が340円だったと思います。同じくらい売って100円の見込みだとすると、ハードウェア単体では相当赤字出してます。

    最近はスポットCMもそれなりに出稿しているので戦略的に勝算があってやっているのでしょう。

    私が言いたいのは、値下げするならユーザーが受け入れてくれる方法を模索してやってほしいということです。決算報告と一緒に何の予告も無く戦略変更するのは株主重視のユーザー軽視です。ユーザーに受け入れられれば自然と株価も上がり市場に評価されます。まあ、敵がAppleだからかなり焦っているんでしょうけど。

  8. 173210 より:

    値下げは嬉しいけどその前に買った人は…
    とくに自分みたいな子供にとって1万はでかい

  9. まもすけ より:

    @173210さん

    子供大人に関係なく、1万円は大きいですよ。

  10. Matyapiro より:

    もしも、これでも売れなかった場合、eshopのダウンロードソフトがAppstoreみたいに、誰でもソフト開発できるようにしてほしい。
    そうしてくれれば、ゲーム開発がいかに大変か、わかってくれると思う。

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